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授業NO.034「みんなでさがそう!楽しいアート!」

授業No.034
授 業:「みんなでさがそう!楽しいアート!」
対 象:北海道久遠郡せたな町立馬場川小学校/島歌小学校
日 時:9月1日(水)9月2日(木)
34回目の授業は、北海道久遠郡せたな町立馬場川小学校にて、馬場川小学校7名と島歌小学校12名の児童を対象に行ないました。講師は、美術家の岡 典明 氏(’90院油画)です。今回の授業では、身の回りにあるものから、形や色、さわり心地、においで気に入ったもの、おもしろかったものを集めて観察し、粘土と蜜蝋を使って、収集したものの型取りを行いました。日常生活の中から五感を通して物を感じること、探求すること、発見すること、想像をひろげることの大切さを学ぶ授業です。
講 師:岡典明(’90院油画)

2010.9.1 wed. 14:05~14:50
「自己紹介」
まずは、岡先生が写真パネルを使って作品を紹介しました。続いて児童です。事前に岡先生から児童へ送られた招待状に書かれていた持ちもの「身の回りで、形や色、さわり心地、においで気に入ったもの、おもしろかったもの(手のひらにのる大きさまで)5個」の中から1番気に入ったものとその理由を、名前や学年とともに発表しました。
やわらかな触り心地の動物や花の香りの石けん、そして、石を持ってきた児童も多くいました。まるいけど触ると三角の石、水に濡らすと赤くなる石、しずくのような色と形の石。一口に石と言っても、形も色も大きさも、そして選んだ理由もさまざまです。
それぞれの面白さに引き込まれ、また、大きな声でしっかりと理由まで発表してくれた児童たちに頼もしさを感じた1時間でした。リポート! 授業No.034「みんなでさがそう!楽しいアート!」34回目の授業は、北海道久遠郡せたな町立馬場川小学校にて、馬場川小学校7名と島歌小学校12名の児童を対象に行ないました。講師は、美術家の岡 典明 氏(’90院油画)です。今回の授業では、身の回りにあるものから、形や色、さわり心地、においで気に入ったもの、おもしろかったものを集めて観察し、粘土と蜜蝋を使って、収集したものの型取りを行いました。日常生活の中から五感を通して物を感じること、探求すること、発見すること、想像をひろげることの大切さを学ぶ授業です。

2010.9.2 thu. 08:20~9:10
「視覚体験」
今度は視覚クイズです。ものの一部を拡大撮影した写真を見て、それが何であるかを考えます。貝、ヘチマ、たわし・・・1番難しいと思っていたシャベルの鉄の錆は、あっと言う間に児童に当てられてしまいました。普段、お家のお手伝いで、よく使っている道具だからでしょうか。岡先生も驚きを隠せません。

そして、昨日持ってきた気に入ったものを、10倍のファインルーペを使って観察しました。身の回りのものが、拡大して見るといつもとは違ったものに見えてしまうから不思議です。
そのルーペを持って、全員で小学校敷地内の散策にも出かけました。
自らをアート発見隊長と名乗る岡先生。児童たちと一緒になってルーペを覗きます。
葉っぱ、蟻の巣、トンボやダンゴムシ、錆びた遊具など、どれも興味深く見ていて飽きることがありません。親指大のカエルを捕まえ「カエルに毛が生えてるよ」と教えてくれた児童、種の詰まったひまわりの花を見て「ミツバチがいっぱいいるみたいだ」と伝えてくれた児童もいました。

09:20~10:00
「触覚体験」
続いては、触覚クイズです。箱の中にあるものを触り、感じた触り心地や、それが何であるかを考え、アート発見手帳へ感じた事を書き込みます。
つるつる、チクチク、ゴワゴワ・・・みんなすぐにわかったかな?

10:25~11:10
「型押し遊び」
次は型押し遊びです。見て、触って形を確かめたものをテラコッタ粘土に押し当てて、凹んだ形を楽しみます。しっかりと強く深く押しこみ、ゆっくりやさしく剥がすのが、形をきれいに写しとるコツです。岡先生が皆の前で、コツを話しながら実演しました。
「形の記憶ーミツロウ化石」づくり 1
「形の記憶ーミツロウ化石」は、テラコッタ粘土で型を作り、ミツロウ※を流し込んで、身の回りにあるものをかたどる作品です。縁を高くつまみ出したハガキ大の粘土板に、型押し遊びと同じ要領で好きなものを押しあてて、ひとり1人オリジナルの模様を作りました。形の組み合わせを工夫してロボットやお花をつくったり、高学年の児童の中には粘土板の形をハートや山の形に変える児童もいました。
※ミツロウ:ミツバチが巣をつくるために体内からだす蝋成分を集めたもの。授業では精製された晒しミツロウを使いました。独特の甘い香りがあります。

11:20~12:05
「形の記憶ーミツロウ化石」づくり 2
粘土板で作った型に、溶かしたミツロウを流し込みます。岡先生からミツロウについての説明と手順を聞いた後、児童は1人ずつ先生と一緒に、自分で型にミツロウを流し込みました。
こぼさないよう、火傷しないよう細心の注意を払いながら入れる姿は真剣そのものです。
流し込みと並行して、ミツロウ化石のタイトルを考えて、ラベルに書き込んたり、作品を入れる箱づくりも行ないました。ふたと側面に思い思いの絵が描かれ、19人の児童それぞれの魅力にあふれた素敵な箱が出来上がりました。
ミツロウを流し込んでから約20分。いよいよ固まったミツロウを粘土板からはずします。
待ちに待った瞬間です。弾んだ声が溢れ、児童は出来上がった作品をじっくりと見たり、友達と見せ合いました。細かい凹みに残った粘土を取り除きやすくするため、一旦、作品を水につけ、4時間目が終了しました。

13:10~13:55
「形の記憶ーミツロウ化石」づくり 3
ミツロウの凹みに残った粘土を、歯ブラシや綿棒、楊枝を使って、洗いおとします。
児童は夢中になって作業をしました。洗い終わったら、水を拭き取って箱に詰めます。

「鑑賞会」
全員の作品を1列に並べて、鑑賞会を行いました。じっくりとひとつ1つの作品を順番に見て行きます。
「自分の以外で、素敵だなと思ったものはあったかな?」と岡先生。
「火山の形をしたもの。」
他の人の作品をよく見たり、感じたり、思ったことを伝えることも大切なんですね。

「まとめ」
最後に岡先生から児童へメッセージがありました。
「2日間にわたり、見たり、触ったり、においをかいで、たくさんの発見をしました。参加したみんなはすでにアート発見隊の隊長です。授業が終わった後も、まわりの人にアートの見つけ方を伝えて、一緒に楽しんでください。」

■おわりに
身の周りにあるものを五感で感じ、探求し、発見し、想像をひろげることの大切さ学んだ岡先生の授業。美しく豊かな自然に囲まれた せたな町に暮らす児童たちが、身の周りにある世界の素晴らしさを感じ、再発見するきっかけになれば幸いです。
今回の授業では、馬場川小学校と島歌小学校の先生方が、積極的に児童をサポートし、授業を支えてくださいました。講師、児童、先生方が一体となってつくりあげることが出来た授業になりました。(写真は9月1日(水)の放課後に先生方と行なった打合せの様子です、岡先生から授業のねらいや流れについての説明を聞いた後、「形の記憶ーミツロウ化石」づくりを行いました。

講師 岡典明(美術家/1990年本学大学院油画専攻修了)

「みんなでさがそう!楽しいアート!」

「みてみて!かえるに毛がはえてるよ!」「え~?ほんとう?」子どもたちの元気な声が校庭にひびきます。
山と海に囲まれた最高のロケーションで、笑顔の素敵な子どもたちと出会いました。天候にも恵まれた1日は、まさに至福の時。例年になく暑い北海道、汗だくのアート隊長を尻目に子どもも先生も元気いっぱいです。
身近なものをルーペで拡大し、普段では見えない細部を発見して驚いたり、手の触感だけで、触った物が何かを想像したり、匂いを確かめたり、形や色等自分で気に入った物を集めたりして、身の回りにある物が魅力にあふれた存在であることを、五感を通して体験してくれました。
子どもたちにとって「アート」とは、いったい何だろうか?そんなささやかな思いから考え出したプログラムを、心から楽しんでくれた19人の子どもたち、生徒を暖かく見守りながら一緒に体験をしてくれた先生方、北海道せたなでのワークショップは、私自身にとっても大変貴重な体験になりました。